創作ドウワ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カズーイの冒険 44

みんなが一斉に声のした方へ視線を向けました。

そこには、モモンガのアヤちゃんがモジモジした様子で
立っていました。

「ちょうどよかった。アヤちゃん。カズーイ達の事でアヤちゃんに
相談したいことがあったんじゃよ」

「さあ、とにかくお入り、お入り」
と長老が手招きをしました。

けれどもアヤちゃんは入ろうとせず、モジモジしているだけでした。

「どうしたんじゃ、遠慮はいらんぞ」
そう言って再び促しました。

「入って来いって言ったってもう入る隙間なんてないじゃないの」
とカズエさんが長老に文句をいいました。

すでに、巣穴には長老夫妻も含めて9人も入っているので、
これ以上はさすがに、きつそうでした。

「おお、そうかそうか。そりゃそうじゃな。悪かった悪かった」

と長老が納得して一人笑いながら言いました。

カズエさんは本当に思ったことがズバズバ言えるんだな、とみんな感心しました。

「それじゃあ、ちょうどいいので、僕たちはこれで失礼します」

「ガボ、悪いけど僕とノリを地面まで下してくれないか」
とリョータは言いました。

「おお、悪かったな、急に呼び出したりして」とガボが言って、

「テル、ノリを頼むよ」
そういうと背中にリョータを背負いました。

「今日はわざわざありがとうございました」
と、カズーイとミミーが頭を下げました。

「おお、カズーイ頑張れよ、君ならきっと空を飛べるさ」
そういうとガボに連れられて巣穴を出て行きました。

カズエさんも
「いったんこの子を寝かせに帰るわね」
「すぐ帰ってくるから席は開けといて頂戴よ」

そう言って自分の巣穴に帰って行きました。



ガボは上手に枝を伝い地面に降りると、リョータを下し、

開口一番に興奮して言いました。

「ホントだったね。テルもお化粧してるんだね」

「そうさ、気が付いてよかったな。で、どうだった」

「何が・・・・・?」

そこにノリを背負ったテルが降りてきて

「何が気が付いてよかったって」と訊いてきました。

ガボは慌てて、「カズーイの耳の事さ」と咄嗟にごまかしました。

それを見ていたノリが、テルの背中から降り

「ホントにガボさんたら、しょうがないわね」と心の中でつぶやきました。



ヒノキからの帰り道、ノリが、
「ねえねえ、お兄ちゃん。ガボさんってホントに鈍感なのね」

「ああ、昔っからああさ。そこがやつのいいところさ」

「あたしは、ああいうタイプはイライラしちゃってだめだわ=」


くしゅん!くしゅん!


長老の巣穴に戻ったガボが大きなくしゃみをしました。

「風邪ひいたのガボ。気を付けないとね」と心配そうにテルが言いました。


「またせたな、アヤちゃん」

長老がそういうと

「いえ、」とモジモジしてアヤちゃんがいいました。

「もし話しづらい事なら先にワシらの話を先に聞いてもらえんかの」

「ハイ・・・ちょっと、どう話していいのかまとまらないので・・・」

「実はのお、カズーイ達がオオワシのドンキーの巣まで行けるように
バキにも協力してもらいたいんじゃよ」

「それには是非アヤちゃんの協力が必要なんだ」
と、いつの間にか戻っていたカズエさんが話の続きをひきとりました。

エッ!本当ですか!
私も、バキさんの事が心配で皆さんにどうしたらいいかわからなくて
相談にきたんです」

アヤちゃんのカオがにわかに明るくなりました。





カズーイの冒険 45

「その事で、今朝も、長老たちと話し合ったばかりなんだよ」
とガボが言いました。


「カズーイとミミーはその時にはちょっと事情があって
ここにはいなかったんだけどネ」と、テルがミミーとカズーイに
ウィンクして見せながら言いました。

「じゃが、バキはあの調子じゃろう。どうやって協力してもらうかが
問題なんじゃよ」と、長老がため息交じりに言いました。


クリッとした目に大粒の涙を浮かべながら
「皆さんは、あんなことをしたバキさんの事を許してくれるんですか?」
と震えるような声でアヤちゃんが訊きました。

「許すも許さないもないですよ。アヤさん」
とカズーイが静かに話し始めました。

「実は、いつまでもバキの事が許せなくて、昨日はあのあと、ずっとずっと、ずっと
本当にイライラしていたんです」

「そんな僕を見かねて、ガボさんたちがバキの生い立ちを話してくれました」

「それを聞いたらバキの事をいつまでも怒っている自分が恥かしく
なってしまって・・・」

「それに、考えてみたらバキは、僕に頭突きをされても抵抗さえしませんでした。
それはきっと心の中では謝っていてくれているんだろうと思います」

「それで僕たちの方からガボさんたちにお願いをしたんです」

「バキさんがみんなと打ち解けて一緒に暮らせるように
お手伝いをさせて下さいと」

「ここにいるみんなもそうじゃが、ヒノキの住人はみんな、バキに
本来の明るさを取り戻してほしい、と、そう思っているんじゃよ」
と長老は優しい笑顔を向けて付け加えました。

「アヤちゃんもそうでしょう」とカズエさんもうなずきながら
涙を浮かべていました。

ますます大粒の涙を浮かべたアヤちゃんが
「みなさん、バキさんの事を心配していてくれて、本当にありがとうございます」
と消え入るような声で感謝の気持ちを伝えました。

「そこで、アヤちゃんに協力して貰おうという事になったんだよ」

と、上ずったような明るい声と、あの下手クソな笑顔を浮かべながら、ガボが大きな声を出しました。

みんなの顔には、うっすらと、涙が浮かんでいましたが、ガボが台無しにしてしまいました。

みんなはガボの顔を見て、半泣きの半笑いという、奇妙な顔になってしまいました。

しかし、アヤちゃんは
「きっと、バキさんを説得して見せます」
と涙声で、しかし、決心した顔で言いました。









Appendix

プロフィール

ガボテンマサ

Author:ガボテンマサ
どうわへようこそ
娘が幼稚園の時に創作したお話をアレンジして、少しづつアップいます。
読み続けるとどんどんはまっていく内容だと思います。

感想などお聞かせもらえればさらなる励みになります。
悪態でもかまわないので足跡を残してくださいね。

サイト運営者メールアドレス
gaboten@tbz.t-com.ne.jp

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

スポンサードリンク

お祝い金のあるアルバイト紹介サイト バイトリッチ

最新トラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ランキングに参加しています

検索フォーム

あしともコミュニティー

あしとも募集中
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。