ヒノキの森の少し奥には小さな洞穴が密集している所があり、
そこに、ウサギの家族が暮らしています。
ガボがそこへ行くなり、一人のウサギが声をかけてきました。
「やあーガボ。こんな朝っぱらから何しに来たんだ」
と声をかけてきました。
「やあ、リョータ。おはよー」
「リョータに用があってきたんだ」 というと
「そうそう、昨日はヒノキで大変なことがあったらしいじゃないか」
「リョータは見てないのか?」
「ああ、ちょっと泉の方にピクニックに行ってたんだ」
「あの、いつも走り回っているカズーイが、バキのせいでヒノキから落ちかけたんだって?」
「そうなんだ、だけど大事にはならなくてよかったよ」
「そうみたいだな。そうだ、昨日、カワウソのロッジ爺さんが、カズーイの事で
ブツブツ文句を言っていたぞ」
「なんでも朝早く、いきなりやってきて、まだ寝ているロッジ爺さんを脅かしたそうじゃないか」
「へー、そんなことしてんだカズーイって」
とガボは少し不思議に思いました。
「それよりリョータ、カズーイに会いたくないか?」
「おー!あわせてくれるのか」
「じゃあ今から行こう」
とノリノリで言いました。
それを近くで聞いていたリョータの妹のノリが
「私も行く、いいでしょガボ!」と
ガボにお願いしました。
「もちろんだよ、でも長老の巣穴で狭いから、これ以上は連れていけないよ」
「わかったわ。すぐ支度するからちょっと待ってて」と言って洞穴の中に
急いで入って行きました。
「何を支度するんだ」とガボが不思議そうにリョータの顔を見ました。
「ガボ、お前は相変わらずニブちんだな。ノリだって女の子だぜ」
「?」
ガボはさらに不思議な顔をしました。
「お前には女の子の気持ちは分かんないかあ・・・」
リョータはやれやれといった顔をして
「ノリはお化粧するために帰ったんだよ」
「女の子はお化粧するもんなのか?」
「テルなんて全然お化粧してないぜ」
リョータは呆れた顔をして言いました。
「ガボ、これから話す事をテルに
絶対にいうんじゃないぞ」
「テルはあれでもお化粧してるんだよ」
「今度、目の周りとか口元とかよく見てみろ」
「え~?」ガボはびっくりして大きな声を出してしまいました。
「いいか、ガボ。絶対にテルには言うなよ。もし知れたらどうなるか分かったもんじゃないからな」
そこにバッチリお化粧したノリがやってきて
「さあいきましょっ!」とみんなの前をさっさと歩きだしました。
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